■主な研究

◆東洋医学における五臓六腑と経穴の関係と効能に関する研究
  Study on relations and efficacy of internal organs and acupoint points in Oriental medicine

◆カーネルセットを求めるプログラムの構築に関する研究
  Study on construction of program for kernel set

◆その他の研究テーマ
  Other Research Themes

 

 

 

 

◆東洋医学における五臓六腑と経穴の関係と効能に関する研究について

■研究の目的

 五臓六腑と経絡のモデルおよびその趣シミュレーションのためのモデルを構築し,各臓腑の状態を数値的に表現する一つの臓が 他の臓へ与える影響や像と腑の相互関係,臓腑と経絡の関係を把握する.また,関係をもとにシミュレーションを行うことで五臓 六腑の状態値の変化を読み取り,臓腑の健康状態を維持するための予防・対策に役立てる.本研究では,複数の経穴を刺激した場 合に,各臓腑にどのような変化が起こるのかをシミュレーションできるモデルを構築し,様々な場面で活用できるよう目指す.

■研究内容

 経絡とは,東洋医学では人体内で気,血を運行する重要な通路である.経絡は経脈と絡脈の二つに分けられ,経脈には十二の正経 というものがある.経穴は十二経脈などの上にあり,経穴を通じて,気がからだの内外を行き来する.経穴への刺激は,そのまま経 絡に伝わる.そのため,鍼(針)や灸の治療は経穴を使って行われる.本研究では十二経脈と五臓六腑のモデルを作成し,経穴への刺 激を含めたシミュレーションを行う.効能とは,ある作用によって得られる効果のことである.五臓六腑の状態が正常ではなくなる と各臓器で様々な機能が変調する.これらの変調に効果があるとされる効能を基に十二経脈と五臓六腑の関係を表にまとめ,CPNTools を使用し,ペトリネットモデルを構築した.

■研究図

 

五蔵六腑のペトリネットモデル

十二正経・インターフェース・五臓六腑の全体モデル

トランジション式(従来の形式)&アーク式(新たな形式)

◆カーネルセットを求めるプログラムの構築に関する研究について

■研究背景

 同形グラフにおける節点同士の対応づけは一般的に複数通り考えられる.いずれの対応づけにおいても,必要最低限の節点同士のみ対応を指定することで,残りのすべての節点同士の対応がおのずと決定される. 我々は, このような対応が指定される必要最低限の節点の集合を極小決定セットとよび,そのうちの要素数が最小のものをカーネルセットとして,その定義や性質,ならびに計算法について考察してきた. 以降カーネルセットを求めることをカーネルセット問題と呼ぶ. カーネルセット問題がどれくらい複雑な問題であるかは現時点では判明していない.

■研究内容

 本研究では,距離行列,整列距離行列,次数距離行列,拡張特定行列の4つの行列を用いて決定セットを求めるアルゴリズムを提案し,プログラムを作成する. G = (V,E) において,節点viからvjまでの最短距離をdijとするとき |V| x |V|の>行列 D = (dij)をGの距離行列とよぶ. 距離行列の各行の要素を昇順に並べ替えて得られた行列を整列距離行列とよぶ. 各節点の次数を距離行列の1行目に加えた行列を次数距離行列と呼び,次数距離行列の次数を示す行の要素および,特定点に対応する行と未特定点に対応する列の要素をそのままに,それ以外の要素を0にした行列を拡張特定行列と呼ぶ.
(2016年)


 これまでのプログラムは手動で決定セットを求める物だったので,自動で求められるプログラムを作成した. 決定セットの求め方は最初にすべての点を未特定点とする方法から全ての点を特定点とし,ランダムで1点ずつ未特定点を増やしていく方法へと変更した. 更に,ランダムなグラフを複数作成し,新しいプログラムで実験した. (11~20点のグラフを10個ずつ計100個)ランダムなグラフの作成方法はすべての要素が0の行列を用意し,節点を2点ランダムに選択して繋ぐ. まだ繋がっていない新しい節点をランダムに選択し,既に選択された節点もランダムに選択して繋ぐ. すべての節点が選択されるまで繰り返す. 次に節点と節点を一定確率で連結させる.隣接行列における0の要素を10%の確率で1にする.更に次数1の節点は,絶対対称となる可能性が高くなるので,次数1の節点をその他の節点とランダムに繋ぐ. このようにして,隣接行列を得る.実験の結果,絶対対称を含むグラフが17個,相対対称を含むグラフが4個存在した.
(2017年)

■研究図

 

絶対対称グラフと相対対称グラフ

◆葛研メンバーの研究テーマ◆

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令和6年度研究生

  1. 博士課程

    1.安 振宇
    「深層学習による裂紋舌画像の自動認識」

    2.楊 航
    「機械学習による鍼灸治療に向けた支援システムの開発」

    3.郭 夢蘭
    「人工知能手法に基づいた金融市場の動向を予測する研究」

    4.張 慶琪
    「アンサンブル学習に基づく2ストリームハイブリッド情報を用いた骨格行動認識」

    5.劉 暢
    「ウェブサイトの運営についての研究」

    6.趙 樹娟
    「外国人児童生徒をめぐる学校対応の現状と課題についての研究 -散在地域における公立小学校を中心に-」



  2. 4年生

    1.中村 千紘
    「患者の状態や症状に応じた漢方薬のAIによる推定に関する研究」

    2.土師 大将
    「AI姿勢推定技術を用いた授業中の生徒の挙手の回数と学習態度評価に関する研究」